日本人だけが金銭教育を受けていない。本当かな?
日本の金銭(投資)教育は社会人になってから1年生で海外と比べて遅れている。
とたまに聞きます。
今日は海外の投資教育の一面と小学校から高校の家庭科のお話を順を追って書きます。
アメリカ人は初めて投資信託を購入したチャネルはどこ?
まず経済産業省が委託して調べた調査によると(こちらp.13)
はじめて米国人が投資信託を購入したチャネルは職域の確定拠出年金で購入した人が62%
(ICI "Characteristics of Mutual Fund Investors, 2011"より野村資本市場研究所作成)
注意 職域の確定拠出型年金は 401(k)プラン、非営利組織職員向け確定拠出型年金、 地方公務員確定拠出型年金などとしている。
あれ?結局職場が半数以上
イメージと違う。もっと小さいときからバリバリ教育して運用していると思いました。おそらく今後の日本の確定拠出年金(iDeCo)も投資信託のスターターとしての同じ働きをしていくんでしょうね。
でも安心できない 日本の家庭科の教科書はきれいすぎます!
私が確認した教科書は2社 東京書籍・開隆堂2社だけな感じです。 その他あれば教えてください。ある教科書では、買い物名人になろうというタイトルで授業が展開します。
2つの教科書で甲乙つけがたい内容です。書き方もステキでキラキラしています。
主な内容は、
計画してほしいものを買う。
借りる・ゆずってもらう・優先順位を決める。持っているものを修理して使う。
今、本当に必要→買う。
これは、話がきれいすぎます!
エコロジーのにおい満々で個人の欲望のにおいが薄いんですよね。
ほんとにこんな購買行動を子どもが取るんだろうか・・・。
駄菓子屋で食べたいものをこのプロセスでは買わない気がします。
お菓子を買いたいけど、「今、必要なものではない」からがまんする??
購買の機会自体が少なく少額な印象です。
大きな買い物は、保護者の意向がもろにでるかと思います。
ゲームのおねだりをするときにこのプロセスをたどるかなぁ・・・。
保護者の人をいかに口説くかのプロセスを子どもはたどる気がします。
ゲームの貸し借りなんておそろしい。
ものの貸し借りはトラブルの元!
借りたら絶対汚さずに期限を守って返す。貸したら、返ってこないと思う。
これは場合により必要な考えだと思うのです。
シュールな現実だから小学校では扱わないのも考え方。
教科書って現実性うすいなぁ・・・。
これは教科書会社が悪いのでしょうか?
文部科学省が学習指導要領で決めている内容に沿って教科書会社がかいている。
文部科学省HPによると学習指導要領とは、全国のどの地域で教育を受けても、一定の水準の教育を受けられるようにするため、文部科学省では、学校教育法等に基づき、各学校で教育課程(カリキュラム)を編成する際の基準を定めています。これを「学習指導要領」といいます。「学習指導要領」では、小学校、中学校、高等学校等ごとに、それぞれの教科等の目標や大まかな教育内容を定めています。
誰が読んでも変と思えない綺麗さ
本音どころは、先生の雑談か行間を読み取れって意味なのだろうか。
この教科書に記載事項・学習指導要領のはざまで本音どころが消されている。
教師も大変ですね。うっかり本音をいえば、変なことをいったと騒がれそう。昔よりこのあたりの塩梅は難易度を増しています。
本当は
先生自身がお金のことをわかっていない。サラリーマンのみなさんもお金のことをわかっていない。のかもしれません。学校の教員とお話していても給与明細の読み方もわからない。自分のお金がどのように貯金されているかもわからない。これはほんとうによく聞きます。
先生も理解していない!だから、教えようがない。
これが本当のところなのかもしれません。
私の家でもお金の話(教育)は禁忌でした。
少なくとも、小学校教育では学習指導要領では、
D 身近な消費生活と環境
- (1) 物や金銭の使い方と買物について,次の事項を指導する。
- ア 物や金銭の大切さに気付き,計画的な使い方を考えること。
- イ 身近な物の選び方,買い方を考え,適切に購入できること。
- (2) 環境に配慮した生活の工夫について,次の事項を指導する。
- ア 自分の生活と身近な環境とのかかわりに気付き,物の使い方などを工夫できること。
確かにそうです。きれいです。
でも、社会に出てからの金銭教育としては、不足も不足ですね。
お金の増やし方として、労働・貯金・債券・株などなど
借金としてのクレジットカード(リボルビング等)の危うさ、住宅ローンの現実
そもそも増やすこと自体が損をする可能性がある。
そんなことも、小学校ではない教科書に書いていました。
(でも、借金が身を滅ぼすこと。もちろんレバレッジとしての借金は悪いわけではないこと。また、企業などの借金については書いていません。)
今後は、中学・高校の教科書も引き合いに出しながら、現状を記そうと思います。
そしてまずは、学校の先生向きに給与の読み方なども考えてお知らせしてみたいと思います。