華丸先生の連絡帳

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タグ:初任研修

華丸先生!研修講師お願いします

研修を頼まれることがあります。
過去は研究発表が多かったのですが、最近は研修講師が・・・。
1年前からお願いされていたことなので、引き受けることにしました。

3日間分の食料を

若い先生は、もう日々の授業に困っている様子。無人島で3日間の食料を与えるのが私の今回の役目になりそうです。とても高度な話は理解できそうにない・・・。

若い先生にリサーチをしてみると、すぐにでも役立つものが欲しいという意見ばかり。
そこで、いくつかはすぐに役立つテクニックを取り入れて。
理論は、national training centerの学習定着率の資料と臨床心理学の知見を組み合わせて。
体験活動や能動的に子どもたちが活動や授業に参加している様子のビデオ(顔なし)、
夢中で結果を書き出す様子。

プロトコル(手順)。
臨床心理学的におさえておきたい理科の授業を流すうえでのコツ
このあたりかなぁ。
あとは、文部科学省の学力状況調査の問題点で指摘されたものを理科の知識がない人にもわかる資料にする。

夢中で結果をかき出す授業

タブレットを使って、自分たちでどう実験記録をビデオでおさえればいいかを考えさせます。
実験は同じ手順を3回繰り返すように構成します。
流れる水のはたらきなら、簡単に予想を立てさせて、まずは実験結果をビデオでおさえさせます。
次に、その実験結果を話し合いながら、さらにわかりやすく人に伝えるためにどのように撮影すればいいかを話し合わせます。そしてもう一度撮影(ここまでで実験の1時間)
この時点で休み時間もタブレットを何度か見直しながら、ノートに記録をまとめていく子どもがたくさん出現します。「遊びに行けばいっておいで」と声をかけてもまだ続けます。
2時間目には、1時間目にとったビデオの結果をもとに考察を考えさせます。
その後に、「流れる水の量をふやすとどうなるのだろうか」という実験で、同様の予想を立てさせます。このころには、予想も前回の経験をもとに詳しい予想と根拠がいえるようになります。
そして、また結果が伝わりやすい方法について話し合いをさせてから実験にうつります。
もう遊ぶ子どもなんて一切いません。
実験操作を行いながら、必死に「こうすればいい?」「外側をアップでとろう」「写真で大量におさえて後から情報を整理しよう。」など研究者さながらの手さばきで実験を行うようになります。
授業の終了後
「おもしろかったぁ。」
これ、聞けると感動しますよ。
このあたりを伝えられるといいなぁと思います。
データ共有を子どもたちで始めると、さらに他の班の実験結果から考察をまとめだす!
盛り上がりが冷めやりません。

その他 3回実験を繰り返すことができる実験


たとえば、ふりこなら、「ふりこの長さ」「おもりの重さ」「ふれはば」の条件で3回同じ手順の実験をこなします。
平均の出し方や往復の時間などの計測方法も1回ごとに考えさせるとどんどん熟達していきます。
どの班もまったく同じ数字になったときに、子どもたちから歓声がわきます。
「すげぇー」
この声は、子どもたちがゲームで大盛り上がりしたときに聞く声の感じです。
「また、この実験やってみたい」 
とまで言い出す授業。


研修でどう伝えればいいんだろうって悩みます。 
論より証拠
見に来ればいいのに(笑)。

研修資料も完成。今年のお仕事も少しずつ終わりに近づいています。





研修講師の見方

研修を頼まれることがあります。統括指導主事の先生に教えてもらったコツ。
統括指導主事なんていうと教育委員会の大ボスのような気もしますが、私たちを支えてくれるスタッフと考えてください。私たちを側面から支援してくれるポジションです。
研修をする側からの見方がわかれば、受講生も受講するポイントが見えて得をすると思うので記事にしておきます。

研修講師ははさまれます。


2点の板挟み
  1. 伝えないといけないこと(受講生にとって本当に必要なこと)
  2. 伝えたいことがある。
これがズレないように教える。つまり苦手な料理を食べさせるようにストーリーを描けという教えです。
そのためには、戦略が必要になります。

戦略とは何をねらうのかである!

言語活動の大事さを体感させる。などと決めておきます。
そのためには?戦術が必要である!

誰もがびっくりするネタを持ち出す。 


インパクトがあるほうがいいですよね。例えば、テレビ番組 わらってはいけない科学からひっぱるなら、こんな場面をみせます。




これが言語活動の充実の具体例


その次に、なぜこの現象が起きたかの話し合いをさせます。
そして、話し合いを発表させます。
説明するためにメモをとりましょう。
聞き直しをしていきましょう。
そこで、ご概念や本当はどうなのか、などを話し合い活動により深めていきます。


これであれば戦略を保って(ねらいが達成されて)展開します。
もしもこの現象だけを見せれば、テレビでみたものだ!などの意見が飛び交うだけになり言語活動の充実がありません。

戦略を立て(受講者のレベル・対象)
戦術を考えて(若い子向けの実験か、誰にでも受けるものか、しっとりくるものか)
伝え方を考える(間の取り方など)


言語活動の充実についてというねらいのもとであれば、この展開は子どもに行なったとしてもバッチリになります。
(子どもに慣れさせておくと研究授業がうまくいきますが、難易度は高めの展開例です。)
















 

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